憧れの仁寿峰（インスボン)

韓国のクライミングパラダイス　　　　　　　　　大阪ぽっぽ会　大見則親
　憧れの仁寿峰（インスボン）　
ソウル市内からすぐの所で、こんなすばらしいクライミングエリアがある
なんて！ソウルのクライマはなんて幸せなんだろう！
 
日にち；2002年5月17日〜19日
メンバ；ぽっぽ会　小寺さん　福田さん　大見

17日　福島労山の３人組に遅れること１日。ぽっぽの
３人組は、関西空港10:00発のアシアナ航空で
ソウルへのインチョン空港へ。空港から605番
のバス（ＫＡＬリムジンの半額6000ウォン）に
乗り、カンファムン（光化門）で降りる。
ソウル在住の萩森さんと合流し、雨だったのですぐにはインスボンに
行かず、トンデムンシジャン（東大門市場）でショッピング＆焼肉。
　　　地下鉄でスユ（水喩）駅まで20分。駅前のコンビニでガスタンクと
食料を買い込み、タクシーで登山口へ。登山口から、少し暗くなった
山道を福島労山の方が泊まっている白雲山荘へ登っていく。
所要時間は1時間弱だろうか、暗い山の中から、うっすらとインスボン
が姿を見せる。
「すごい！」まるで大入道の頭だ！見事なスラブ壁！感動ものだ。
白雲山荘に着くとこれまたびっくり！仙台の知人がいるではないか！
今年の雪崩講習会でお世話になった講師の方だ。
「え！何でここにいるの？びっくりしたなあ」と感動の再会。当然
その夜は宴会になった。もちろん、雪崩の講師である滝上さん瀬畠さん
伊東さんの話で盛り上がった！
白雲山荘は、立派な小屋だ。1階に木作りのテーブルがあり、
ちょっとおしゃれな雰囲気だ。何年か前に、うちの会の富谷さんや
元中級登山学校校長の小川さんたちもここに泊まったという。感慨深い
ものを感じた。

18日　昨夜の雨も上がり、今日はいい天気。
　　　シュイナードBを登る予定であったが、
　　　濡れていた。そこで、ウジョンBを登る事
にした。ルートは4ピッチ。最高は5.8だ。
しかしそのルートに取り付くまでが難しい
スラブだ。小寺氏に登ってもらった。今回の
核心はこのスラブといっても良い。
1ピッチめ；大見、濡れたフェース。フレ　　　No１６がウジョンB
ンズをかまして登る。
2ピッチめ；大見、まずチムニ−直上１０ｍ、濡れていていやらしい。
次の小さなハングの右上から回り込む。ここにぺツルが１つ。ホッと
する。さらに２ｍ左にトラバース。微妙だ。ここからルートは2つある
が、右のクラック5.8が楽そうだ。左はスラブ5.9。右を選んだ。
レイバックで５ｍ登る。２つフレンズをかまして、小さなテラスを右手
でつかむ。蟻の巣だった。体長１ｃｍのありんこ20匹くらいに襲われ
５０ｃｍ下降。だんだん手がパンプしてくる。たが、ここで手を離すと
墜落だ。しかも支点はフレンズ。落ちたくない。ありんこを踏みつけ
さらにフレンズ2つをセットしクリア。
3ピッチめ;大見,50ｍの長いチムニ。フリクションは効くが、支点は
ないので、失敗は許されない。バック＆フットで登る。
途中、あちこちで、クライマーの墜落する悲鳴が聞こえる。彼ら韓国の
クライマーは、フレンズで平気で落ちる。そして大墜落しても、また
登る。恐るべし韓国クライマー。
4ピッチめ；力尽きたので小寺氏に代わってもらう。
ダブルチムニ−のしかも上部は、スラブ気味。乾いていたら気持ち良いだろうなあ、、。
終了点からインスボンのピークへ行ってお昼ねのあと、3ピッチの懸垂
で下に下りる。

さて、2本目。大見は元気なく、小寺氏5.10aスラブを行く。４０ｍの2ピッチ。途中は確保点以外には、ピンは１つ。恐ろしい。
韓国の人は平気である。ちょっと隣の緩やかなところは、ノービレーで
降りる。　「登りの時はビレ−していたんとちゃうのか、おまえら」と
内心叫んでいた。恐るべし韓国クライマー。
時間は夕方5時。韓国語に混じって、福島労山のコールが聞こえる。
シュイナードBを登っている。「もう降りるよ」との事。われわれも降りることにした。
下降は懸垂。しかし日本のような下降点はない。大きな鉄の棒の先端が
丸めてあるものが所々にある。支点1本だけでするようだ。
しかも！！驚いたことに、日本じゃ1人づつ
懸垂下降するのだが、2人同時で懸垂下降する！！。
そのほうが早いのはわかっているが、絶句。
恐るべし韓国クライマー！！

まあなんとクライミングは奥の深いスポーツだ
なあと思いました。
とはいえ、今回のインスボンでは、自分のクライ
ミングに対する考え方を変えさせてくれた良い
体験となりました。
みんな、また来ようね。　　　　　　　　　　インスボン懸垂下降の図

＜韓国クライミング用語＞　　　　　　　　　
ラクチョ　　　　ザイルダウン　　　　チュッパル　登ります（出発）
チュンビワンリャン　準備完了