またまた来てしまった八ヶ岳東面 旭岳東稜
待った待った4時間 報告者 大阪ぽっぽ会 大見則親
1月に引き続き、またまた八ヶ岳の東面に来てしまった。にぎやかな西面と違って、
人も少なく、ここは静かな良いクライミングが楽しめる。アイスクライミングも良いルートがあると聞く。
今回は、旭岳東稜にチャレンジした。
日にち
2001年2月9日(金)夜行〜11日(月)
メンバー
大見、由良(大阪ぽっぽ会) 崎向(BERG松涛会)
ルート
美しの森−出合小屋(泊)-旭岳東稜-ツルネ東稜
-出合小屋(泊)-美しの森
取り付き手前から、北(赤岳方向)を見る。
2/ 9(金)
19:00から開催の女性委員会テーピング講習会を21:00まで受講。少人数の講習なので
非常に身に付いた。あわてて家に帰り、荷物の準備をして、集合場所の三宮ダイエー前に急ぐ。
今回は明石に住んでいる由良君の車を出すということで、中間地点の三宮集合としたが、
私にとって、森ノ宮に行くよりも三宮の方が近い。やっぱり私は、兵庫県民?
23:00三宮発 久しぶりの連休・好天なので京都の手前から早くも渋滞。
2/10(土)
途中運転を交代したが、中津川のあたりで、午前2時くらい。とっても眠いので、
パーキングエリアで仮眠。結局清里の美しの森に9:00に到着。
10:00に出発。長い林道を歩く。1時間で地獄谷入り口。天気はとてもいい。
今日は、出会い小屋までか?、、あきらめの境地で、堰堤を越えていくと、、突然、
大きな生き物が、、「カモシカがいる」写真を撮ったりしているうちに、カモシカを
近くで見たくなった。匍匐前進して背面からカモシカを襲う!
雪面を腹這いになってすべりおりる。しかし、カモシカは動じなかった。振り返っ
て、こちらを見ている。距離は2m。顔は私より大きい。「食われるかと思った」
13:00頃、出合小屋着。ここまで、堰堤は8つあった。
時間があったので、取り付き点の偵察と、水場の工作(天狗への分岐)をした。
今回もそうだが、このメンバーの組み合わせは初めてである。お酒を飲みながら、
いろんな話をした。兵庫労山のメンバーも強者がいっぱいいるようだ。
2/11(日)
3:50起床、30分で朝食を食べ終えたが、結局出発は、5:50。ベース方式
なので、1時間以内に出発できるようにしたいものだ。この遅れは、後で長い順番
待ちになってしまった。
6:00旭東稜取り付き。地図では右から取り付くのだが、実際は尾根の左のルン
ゼであった。
6:45小ピークの下降前でアイゼンを履く。天狗尾根の眺めよい。先月登った
カニノハサミ、大天狗がはっきりわかる。赤岳に突き上げる非常によい形の尾根で
ある。
8:45いやらしそうな草付きの下、先行パーティが登るのを待つ。ここが雪崩そ
うな斜面というとこか?ミックス壁をダブルアックスで、ロープなしで登ったが、
崎向さんは、ダブルアックスしたことがないと言う。出すかは迷うところである。
この壁の上が、ナイフエッジ気味になっていて気持ちがいい。写真撮影にはもって
こいの場所である。添付した写真を見てほしい。遮るものは何もなく、この空の
青さには、感動ものである。
ここからが面白い!核心部です。 取り付き手前から、東を見る。
時間は10:00であった。さて、ここからが核心部である。目の前の顕著な5段
の雪のかぶった岩壁・岩棚を越えていくらしい。下部の3段は、左のヤブ壁を巻い
てショートカットできる。我々は、2パーティ目、先行は1パーティ5人である。
1段目の壁は高さ5m。多少ルンゼ状のフェースを登るが、手足のホールドが小さく
先行の女性は、四苦八苦している。結局1人1時間かかって、5mを越える。
私は、3時間待たされ、13:00に1ピッチ目をリード開始。右手のカンテホー
ルドを雪中から見つけ、さらに岩の中の少しの凍土にダブルアックスでクリアするが、
先行の女性はさらに上の段で苦心している。その間も待っていなければならない。
2段目も右フェースから左にアックス頼りに乗り移るが、抜けないかと冷や冷やする。
ようやく、13:50に1ピッチ目、大見終了。
ひきつづいて、14:00に崎向さん、由良君とフォローするが、慣れていないせいか
崎向さんは苦労している。そこで由良君がアドバイスしながら登って来た。由良君は
すんなりあがってくる。さすが!
2ピッチ目は、草付きのイヤらしい壁を右トラバースをして、草のついた抜け口に、
アックスを打ち込んで登る。そこはちょっとしたテラスになっており、下部からの
ショートカットは左からここに合流する。もう1段、乗っ越して15:45終了。
ここからは簡単なナイフエッジが3ピッチほど続く。先行パーティはスタカットで、
いったが、簡単そうなので、由良君先頭でコンテで行くことにした。しかし、要所要
所でランニングビレイを取りながら、ザイルをいっぱい延ばして行く。これなら1人
落ちても大丈夫だ。16:00登攀終了。
先行パーティは権現岳を越えて行くらしい。別れを告げ、横殴りの吹雪の中、
16:10旭ピーク下降開始。ここから下山のツルネ東稜までは縦走路を歩く。横殴
りの風が猛烈に痛い。16:30ツルネ東稜下降開始。この道はよく踏まれていたが、
雪が多く先行パーティがいないときは、ラッセル、ルートファインディング要注意だ。
ヘッドランプをつけながらの下山となってしまった。大宮労山のテントに挨拶をして、
18:30出合小屋着。
使った装備
3人で、ザイル2本、ヌンチャク各自5セットくらい、バイル、ピッケル
イボイノシシ2本、ハーケンは使わなかった。
ビバーグを考え、コンロ、燃料、小さなコッヘル、寝袋、エアマット、
テントマットを持っていった。
以上
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